file.938;『冷蔵庫』


20090818


        次元と次元の間に挟まりました。
        抜け出せなくて藻掻いていたら、一台の車が脇を通り過ぎました。

        咳き込んでいて、今にも倒れてしまいそうな あの車を
        僕は ただ無言で見送りました。

        悪いコトだとは思わなかったけれど、
        どういうワケか、罪悪感に押し潰されそうです。

        自分のウチに帰れたなら、
        冷蔵庫の後ろを掃除しようと思います。

        僕の罪は、それくらいで許されるでしょうか?

        自分も「良い人間だった頃が有る」のだ、と
        この背後に、逃げ道を隠し持っていたいのでしょう。



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